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“Vtuber”に対する誹謗中傷によって名誉毀損は成立する?解説と通報窓口の紹介

ホロライブ

昨今、Vtuberに対する誹謗中傷が掲示板・SNS等で目に余るほど投稿されるようになりました。これが法的に問題になるかどうか、実際に法的措置が取られているかどうかまとめました。

目次

Vtuberに対する誹謗中傷でも訴えられることはある?

結論から言うとVtuberに対する誹謗中傷で訴えられることはあります。

ホロライブプロダクションを運営するカバー株式会社は2021年9月に2件の法的措置を完了していることを公表しています。(※完了しているのが2件であり、係争中のものは多数あると思われます。)

また、にじさんじを運営するANYCOLOR株式会社も12ヶ月間で約90件の対応を行ったことを公表しています。

以上のように実際に法的措置を取られている事例があります。

誹謗中傷とは

誹謗中傷に対応している法律は?

刑法230条に名誉毀損、刑法231条に侮辱罪が定められています。なお230条2項では違法性阻却事由が定められていますが長くなるので詳細を知りたい方は別途調べてください。

第二百三十条 公然と事実を摘示し、人の名誉を損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する

第二百三十一条 事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。

e-gov法令検索

また、民法では709条および710条が対応しています。

第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

第七百十条 他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。

e-gov法令検索

簡単に言えば、不特定多数が見れる場所に相手の名誉を傷つけるコメントを書き込むと、内容が事実かどうかに関わらず法的措置を受ける可能性があると言うことです。

「不特定多数が見れる場所」とは、具体的に

  • TwitterなどのSNS
  • 5chなどの掲示板
  • ブログの記事やコメント欄
  • Youtubeの動画やチャット、コメント欄

など様々ですが、基本的にネット上への投稿はほぼ全てがこれに当たるものと考えた方が良いでしょう。「鍵垢なら大丈夫じゃない?」と思う方もいるかもしれませんが、それを見たユーザーから伝播することがあるため誹謗中傷の要件を満たす可能性があります。

どこからが誹謗中傷になるの?

具体的にどのような内容の書き込みが誹謗中傷に当たるかは下記サイトがわかりやすいと思います。

書き込みの内容が相手の社会的評価を低下させる、またはさせる恐れがあるかが焦点になっているようです。

誹謗中傷をRTしても法的責任を負うのか?

これについては下記の記事がわかりやすいでしょう。

現時点では明確な法的見解がまとまっていないようですが、元ツイートに賛同していない旨を明確にわかるようにしていなければ法的な責任を負う可能性は否定できないようです。

Vtuberはキャラクターなのだから誹謗中傷にあたらない?

Vtuberはアニメの登場人物のようにキャラクターであるから誹謗中傷にあたらない」と言う理論を述べている人を見かけることがあります。これについては、下記サイトで明確に否定されています。(結構メタい話になるので注意してください)

たとえVtuberであっても、芸能人やペンネームで活動されている方と同じように名誉毀損が成立します。

なりすましは犯罪?

いわゆる本人へのなりすましアカウントについても注意が必要です。そもそもtwitterの規約としてなりすましアカウントは禁止されています。

なりすましアカウントで本人の社会的信用を低下させる書き込みを行えば、それで名誉毀損は成立します。具体例はあまり良くない話題に触れてしまうので出しませんが、実際ににじさんじを運営するANYCOLOR株式会社が対応した事例もあります。

SNS等の誹謗中傷に対する政府の動き

令和3年4月にプロバイダ責任制限法改正案が成立・公布され、今年中の施行が決まっています。これにより開示手続の簡易化や迅速化につながるとされています。

主なVtuber運営会社の通報窓口

主要なVtuberプロダクションの通報窓口は下記の通りです。

ホロライブプロダクション

にじさんじ

ぶいすぽっ!〜Virtual eSports Project〜

のりプロ

※774inc.,.Liveについては通報窓口が見つかりませんでしたので記載割愛してます。

まとめ

以上のように、Vtuberに対する名誉毀損で法的責任を問われることはあります。日本では言論の自由が認められていますが、それは同時に自身の言動に対する責任を負うということでもあります。

「〇〇むかつくから有る事無い事書いてやろう」「みんなが叩いているから便乗して叩こう」などといった安易な考えで前科が付いてしまったり、少なくない額の賠償責任を負ってしまう可能性があります。こんなことで人生にケチがつかないよう、SNSや掲示板の利用は書き込む前に一度読み返すなど、くれぐれも注意しましょう。

なおこの記事はVtuberに対する誹謗中傷であっても法的責任を負う可能性があることを周知し、安易な誹謗中傷コメントを減らすことが目的です。法律的解決を求めている方や法律を勉強したい方向けの記事ではありませんのでご注意ください。誹謗中傷に悩まされている方は、一人で抱え込まず弁護士に相談するようにしましょう。

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コメント

コメント一覧 (16件)

  • Vtuberはキャラクターだがキャラクターの一部を特定個人が賄っているのは当然の事実である以上、不当に中傷すれば罪に当たるのは当然よな

  • 人を傷付けるのは良くないっていう超シンプルな話なんだよなぁ

  • ここで注意喚起してることを先導する記事を垂れ流してるまとめだらけの中こういうまともなところがあって本当にうれしい。

  • こちらの記事ですが状況が落ち着くまではサイトのトップに固定表示します。新規記事がわかりにくくなりますがご理解いただければと思います。
    また、よければtwitter等で拡散していただけると助かります。

  • ガッチリした記事だ
    後vtuberを守るっていうのは当然なんだけど同じくらいファンである自分の身も守って欲しい
    荒れるであろうサイトには踏み入らない、SNSも必要に応じてNGワードを使う、これだけでメンタルは守られる

    ホロメンの配信を見て楽しく過ごそう、ファンが荒んでもホロメンはきっと喜ばないよ

  • >たとえVtuberであっても、芸能人やペンネームで活動されている方と同じように名誉毀損が成立します。

    妙に納得した。確かにそうなる。

  • 勘違いしてる人が居るけど、Vtuberを中傷してもキャラに人権はないという理屈では逃げきれなくて
    中傷の内容が演者の行動や人格に及んでいるものであれば普通に要件として足りるから
    当然ながら成立はする

  • まあ営業妨害に当る可能性ありますからね
    Twitterの発言で本人に目が届くような発言をしてる方にそれ相応の対応が取られることを願います。

  • ペンネームで活動してるって考えれば凄く端的でわかりやすいな

  • 去年末にはVtuberがVtuberに対して訴訟を行う事例が出てきているので
    これからの動向に注視していきたい

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